2024/3/18 全身を撮る … 5本指のアライグマ(栗東市)

倒木渡りの撮影現場に、アライグマがやって来た。ぬかるみについた足跡を見ると、5本の指とその先端に鋭い爪があることが分かるが、こうして足指を見ると「なるほど」と実感できる。撮影時間を見ると19時。昼間に撮影現場までの林道を歩いているとき、明るい時間、この山のいったいどこにいるのだろうかと、いつも感じていて、岩場の隙間など、ついつい覗き込んでしまう。冬のカメラ管理は、指先がかじかんだりするが、スズメバチやしつこいアブなどが飛び回っていないので、集中して作業ができる。
(Canon6D ISO 100)

2024/3/11 なんだ君は … そうです私が変なツグミです(京都市)

咲きはじめたばかりの、まだ背の低いセイヨウタンポポの撮影をしていると、目の前に飛んできたのがハチジョウツグミ。「ちょっと待てよ」と声をかけ、タンポポを撮っていた100mmマクロを300mmに交換する。その間に、どんどんこちらへ近づいてくる。「そんなに近づいてきたら、画面に入らなくなるでしょ、100mmのままでもよかったかな・・」などと、独り言を言いながら、少し下がる。シャッターを切ると、その音に反応し、首を傾けながら立ち止まる。 「よしよし、そのまま、そのまま」でワンショット。
(Canon6D ISO 100)

2024/3/4 お早い目覚め … ニホンカナヘビ(栗東市)

最近、長雨が続いていて、ようやく青空が広がった。今日は2月28日、啓蟄にはまだ少し早い山麓の道。何かいないかと、岩場の草藪をゆっくりゆっくり歩きながら見ていると、日当たりの良い岩場の穴から、カナヘビが顔を出した。「あら、早い!まだ寒いでしょう」カナヘビは冬越しから目覚めると、日光浴をしながら体温を上げる。すぐ近くに腰を下ろして、撮影しながらようすを見ていると、何度も目を閉じて、眠ってしまいそうになる。そんなカナヘビと一緒に2時間も過ごしていたら、こちらもウトウトしてしまう。
(Canon6D ISO 100)

2024/2/26 全身を撮る … 倒木を歩くタヌキ(栗東市)

今回の動物撮影のテーマは「全身を撮る」。地面を歩く姿を撮影すると、足指が枯れ葉などに埋もれてしまい、分かりにくくなってしまう。そこで考えたのが、倒木を歩いてもらうこと。これでうまく撮れれば足先も写るはず。テスト撮影で最初に現れたのがこのタヌキ。思惑通り足先までよく分かり、まずは作戦成功。欲を言えば、このあたりで立ち止まり、顔をカメラに向けて欲しいところだが、無人カメラでは、なかなか難しい。さて、これから誰が来てくれるのか、季節の変わり目でもあり、楽しみにしている。
(Canon6D ISO 100)

2024/2/12 梅の季節 … ジョウビタキには白梅がよく似合う(京都市)

ほころびはじめた白梅に、ジョウビタキがやって来た。このイケメンのジョウビタキは、性格もアイドル向きで、枝移りしながら、さまざまなポーズをとる。こちらが下がらないといけないくらい近づいてくることもあり、ここまで人を恐れないということは、もしかしたら、どこかで餌付けされていた個体なのかもしれない。「ただそこにいる」という写真にしかならないが、せっかく季節を感じる梅花に来てくれたのだから、梅の香と一緒にワンショット。そちらから見る、長身のカメラ男は、どう見えていますか?
(Canon6D ISO 200)

2024/2/5 雪上にポツン … 穴から出てきたホオアカ(守山市)

積雪の日、雪に埋もれた田んぼで、ほんの少し顔を出している二番穂のなごりが動いていた。「何かいるな・・」とレンズを構えて待っていると、雪穴の中から出てきたのは、ホオアカ。草の種子など、食べ物が雪に埋まってしまい、見つけたのが二番穂に残っていた米粒だったのだろう。なごりの米粒が顔を出している雪穴は、その他にも数か所あり、そこにはヒバリやホオジロの姿を見ることができた。雪風景はいつも美しい。
(Canon6D ISO 100)

2024/1/29 求愛ポーズ … コガモがキュンと縮む(京都市)

300mmを片手に、冬の鴨川沿いを散歩する。天気の良い日は水面が青く、水鳥たちもより美しく見える。コガモが4羽「ピー、ピー」と鳴き合いながら、水上をくるくる回転していた。2羽のオスは、背伸びをしたり、体を湾曲させたりして、求愛ポーズを競っていた。見ている限り、メスは大した興味を示すこともないが、離れていくわけでもなく、4羽仲良く行動していた。普通にしていると見ることのない、緑色に輝く翼鏡(よくきょう)が求愛ポーズでは、はっきり見ることができる。顔と翼鏡と尾の絶妙な色合いが美しい。
(Canon6D ISO 100)

2024/1/22 いたいた♪ … ホソミイトトンボ成虫越冬(栗東市)

毎年、冬越し探しをする山の野道。100mほどの間に、成虫で越冬するトンボやチョウを見つけることができ、今年は、5匹のホソミオツネントンボと2匹のホソミイトトンボが越冬している。ホソミオツネントンボは、ゆっくり、ゆっくり歩きながら山側の藪を見ていくと、それなりに見つけることができるが、一段と体が細いホソミイトトンボは、発見の難度が上がる。体をクネクネと曲げ、枯草と一緒に風に揺れているため、正直言って、偶然見つけられるといった感じだ。 風が吹いても、周りの草が体に当たらない場所で越冬する。
(Canon6D ISO 100)

2024/1/8 フワフワ … 初春のエナガ(栗東市)

新春の山歩き、静かな林から聞きなじんだ鳥たちの声が聞こえてくる。ヤマガラはアカマツのマツボックリから種子を引っ張り出し、コゲラは冬枯れの木立を昇り降りしながら梢を叩く。カケスは「ジャージャー」と鳴きながら、スギ林の中からこちらのようすをうかがっている。ヤシャブシの枝に群れていたエナガが、一斉に林道わきの藪に降りてきた。気温が低いせいか、羽毛を膨らませているエナガに、初春の光が差し込みフワフワに見える。茎の中に隠れる昆虫を探し、忙しく動き回る姿をワンショット。
(Canon6D ISO 100)

2024/1/1 2024年・新年のご挨拶

今年は辰年ですが、辰の写真がありません。
ご挨拶といたしまして、中島みゆきさんの「銀の龍の背に乗って」のワンフレーズを演奏させていただきます。

2023/12/25 いつ降りてくるの? … オオムラサキ幼虫、冬越し開始(栗東市)

今年の1月8日に、20匹ほどのオオムラサキ越冬幼虫を見つけたエノキの大木で、ちょこっと落葉をめくってみた。晩夏に生まれた幼虫は、秋に樹上の葉を食べながら生活し、冬に木を下り、落葉下で冬を越す。いったいいつごろ木から降りてくるのだろう。今回は前回の落葉めくりより20日ほど早い試しめくり。樹上には黄色く黄葉した葉が多少は残っている状態。この日は、季節はずれの暖かい日で、元のように葉を戻し、翌日同じ葉をめくってみると、1匹は別の葉裏に移動していた。安眠妨害してしまったかな・・・
(Canon6D ISO 100)

2023/12/11 ドングリを食べる … コナラの中のシギゾウムシ(栗東市)

ドングリは、地面に落ちると、まず根を出しはじめる。そんなコナラのドングリを拾い、二つに割ってみた。すると、そこにいたのはシギゾウムシの幼虫。一匹だけでなく、少なくてももう一匹いるように見える。シギゾウムシの幼虫は、ドングリの子葉になる部分を食べながら、食べた部分を自分の糞で埋めていく。そして体が大きくなると、外皮に丸い穴を開けて外へ脱出し、地面に潜り、蛹から成虫へと変身していく。写真のように複数の幼虫がいると、脱出後のドングリには、その数だけ、まん丸の穴があいている。
(Canon6D ISO 100)