2015/12/21 モミジを添えて・・・ ヤマセミの朝食(大津市)

ヤマセミの朝食時間は、とても早い。肉眼で水面が見えはじめ、空が少し明るくなるとまずヒヨドリが「ピヨー、ピヨー」と第一声をあげる。すると川の上流から餌場にやってくるヤマセミの声が「キャラ、キャラ」と聞こえてくる。一番わくわくする時間だ。撮影ブラインドの中、寒さで震えていた体に気合いが入る。ヤマセミはいつもの止まり木に止まり、一気に水中に飛び込む。 魚はきっと水中に沈んだ落葉の下に隠れていたのだろう、落葉まで咥えて上がってきた。今朝の朝食はモミジの彩りを添えたカワムツの活け作り。
(撮影・CanonT90・ベルビア50 ノートリミング)

2015/12/14 生命力・・・ 卵を守るジョロウグモ(栗東市)

冷たい風の吹く日、桜の枝にジョロウグモを見つけた。全く動きがなく死んでいるのかと思い、ふうっと息を吹きかけると、わずかに脚を動かした。生きていた。それから3日後、クモは同じ場所にいて、そこには産みたての卵があった。卵はそれを隠すように白い糸で覆われていて、クモはそれを守るように微動だにせずいた。また、ふうっと息を吹きかけると、やはり生きていた。それから3日後、卵にはそれをカムフラージュするように木の皮が散りばめられていた。また息をかけてみた・・・ 生きている。じっと動かず生きている。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/12/07 雑木林で乱舞する・・・ クロスジフユエダシャク交尾(高島市)

この季節、雑木林散策に出かけると、落葉の積もった地面近くをたくさんのガが飛翔している。飛翔しているのはオスで、メスを探し回りながら飛翔しているようだ。集団で飛び交うようすを紹介したいが、「小さな被写体が集団でアットランダムに動き回る」は写真の一番の弱点。こんな時は動画でお見せしようと、今回は付録で動画を掲載。興味のある方はこちらをどうぞ。メスには羽がなく落葉の陰に隠れるように歩き、オスに比べ圧倒的に数が少ないため姿を見つけるのは難しい。偶然見つけた交尾行動、手前のメスに2頭のオスが近づく。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/11/30 燃える秋・・・ 雨に濡れるモミジ(栗東市)

今月中旬に群馬から来た友人を案内した京都高雄の神護寺も、紅葉の名所とされる東近江市の永源寺も彩りに欠けていたモミジ。遠目にはそこそこ色づいて見えるが、近づいて見ると小さな黒点が葉に広がり、みずみずしさがない。葉脈をアップで撮影してみるとカビのように見える黒点が散らばっているのがわかる。日照時間、降水量、気温など気象条件が影響しているのは間違いないだろうが、樹木そのものが気候変動について行けず、年々弱ってきているように思う。もともと北方系のモミジ、日本の気候に合わなくなってきているのでは・・・
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/11/23 モミジで衣替え・・・ オオミズアオ幼虫の脱皮(栗東市)

今年のモミジの彩りは京都も滋賀も落第点。日照不足、高温、季節外れの雨など8月から9月にかけての気象が影響しているのだろう。そんなモミジでオオミズアオの幼虫脱皮に出会った。オオミズアオは薄い青緑色の美しい羽色をしたガで、羽を広げると10cmにもなる。幼虫も8cmほどの大きさがあり、透明感のある緑色でこれまた美しい。見つけたときはじっと動かずにいたが、やがてもじもじと体を伸縮させながら脱皮を開始。これは4齢幼虫から終齢幼虫への脱皮で、この後、蛹になり越冬、来春羽化し夜に飛び立つ。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/11/16 大きなシイの木の下で・・・ スダジイを食べるニホンリス(栗東市)

この場所には何本かのスダジイの木があり、毎年たくさんのドングリを落とす。カメラ片手に歩いていると、背後のスダジイからガサガサと枝の揺れる音がした。振り向くと木の下にドングリをくわえたニホンリスがいて、僕の存在に気付き、あわてて木の後ろに回り込み身を隠した。こちらはそっとしゃがみ込み、気配を消すことに専念。やがて警戒しながらも姿を現し、ドングリを食べはじめた。リスが根の間に落ちたドングリを探す間に、そっと近づき、またそっと近づき、リスとの駆け引きを楽しみながらのワンカットがこの作品。
(撮影・Canon6D・ISO250)

2015/11/09 おすそ分け・・・ オオスズメバチとクロオオアリ(栗東市)

そろそろスズメバチたちの活動も終息の時期。働きバチたちは命を終え、女王バチは単独で冬越しの準備に入る。ドングリを落とし、黄葉の進むクヌギ林を歩いていると、オオセンチコガネを捕らえ肉団子を作っているオオスズメバチを見つけた。料理の邪魔をしないよう、落葉の上に腹ばいになり撮影を開始。しばらくするとクロオオアリが近づいて来て、スズメバチの周りを一周。遠慮がちにこぼれ落ちた肉片をいただくが、スズメバチは気にとめることもなく調理に専念。思いがけず、大小2匹の対照的なツーショットが撮れた。
(撮影・Canon6D・ISO100)

2015/11/02 食卓の彩り・・・ 食事中のコゲラ(米原市)

日本にくらすキツツキの中で一番小さなコゲラ。枯れ木などの柔らかい樹皮を突いては中に潜む昆虫を探し出して食べる。今日の食卓は紅葉したオニドコロ、キヅタ、アケビ3種のつる植物に彩られ、木々の間から漏れる光が間接照明のように食卓を飾っていた・・・ なんて文章を添えてみたところで、言うまでもなく当のコゲラはそんなものには無関心。ひたすら枯れ木を突き、餌探しに集中している。寒い冬を前に、とにもかくにも餌探し。たくさんの昆虫が樹内に潜む虫食い食卓を探し、コゲラの忙しい1日は過ぎていく。
(撮影・Canon6D・ISO400)

2015/10/26 鳥のなる木・・・ ムクドリ集団ねぐら(草津市)

日が落ちて人々が家路を急ぐころ、街路樹のケヤキにムクドリの大群が集まってくる。日中あちこちに散らばり1日を過ごしたムクドリたちは、夕方小さな集団を作りねぐらへ向かう。小さな集団は「ジュン、ジュン、ジェー、ジャー」と鳴きながら市街地上空を旋回飛翔し、別の集団と合流することを繰り返す。大きくなった集団はいったん近くの電線に集合し、全グループが揃っていることを確認するかのように、にぎやかに鳴き合う。そして街に灯りがともりはじめると、一斉に飛び立ち、うねる波のようにケヤキに突入する。
(撮影・Canon6D・ISO400・ノートリミング)

2015/10/19 鎧を着たアリ・・・ トゲアリ(高島市)

コナラの朽木に開いた大きな洞に、トゲアリが集団でくらしているのを見つけた。棘を装着した鎧を身につけ、体長は8mmほど。カブトムシやクワガタのような大きさはないが、格好良さでは負けていない。アリとしては大型の部類に入るが、林内の朽木内部に巣を作ることや、色味がムネアカオオアリと似ていることで、見過ごされていることが多く認知度は低い。敵と戦うために備わった棘なのか、鳥たちに食べられないよう備わった棘なのか、棘のある理由をあれこれと推測するのも面白い。あなたは、なぜ棘があると思いますか?
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/10/12 マツボックリは秘密基地・・・ カネタタキ(栗東市)

この季節、住宅地の垣根から、公園の植え込みから、山道の藪の中から「チン、チン、チン」と小さな鐘を鳴らすような虫の音が聞こえてくる。その正体は体長1cmほどのカネタタキ。体が小さく葉と葉の間のすき間などで隠れて鳴くので、「声はすれども姿は見えず」となる。先日、林道を散策中、目の高さにあったマツボックリに何気なく触れてみると、鱗片の間から2匹のカネタタキが現れた。試しに近くのマツボックリを見てみると、あちらにもこちらにもカネタタキが隠れている。そこはまさに、カネタタキの秘密基地。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/10/05 葉の裏に葉?・・・ コムラサキの蛹(守山市)

コムラサキはタテハチョウ科のチョウで、幼虫はヤナギ類の葉を食べて成長する。琵琶湖岸にはそのヤナギ類が多く生育し、初夏から初秋にかけて成虫が飛翔する姿がよく見られる。メスはヤナギの葉に産卵するので、その瞬間を見ていれば卵を見ることは簡単で、卵から孵化した幼虫を観察することも、そう難しくはない。ただ、幼虫は成長するに伴い体も大きくなり、ハチや野鳥に見つかり食べられてしまう。そんな食物連鎖から逃れ、運良く蛹にまで成長すると、葉の葉脈に似せた体でチョウになるのをじっと待つ。
(撮影・Canon6D・ISO100)

2015/9/28 ドジョウの躍り食い・・・ 冬羽のチュウサギ(野洲市)

稲刈り真っ盛りの季節、稲刈り前には水が抜かれているはずだが、逃げ遅れたドジョウたちがぬかるんだ泥の中に隠れている。チュウサギは、そこにドジョウがいることを確信しているのだろう、泥がほんの少し動くことを見逃さず、すっと首を伸ばし狙いを定める。そして一気にくちばしを突入させ、あっという間にドジョウを飲み込んでしまう。冬羽時期の特長としては、繁殖期に黒色だったくちばしが、黄色く変化し先端だけが黒くなる。それにしても、まだ暑さが残る9月中旬、「冬羽」とよぶのもいかがなものかと・・・
(撮影・Canon6D・ISO100)

2015/9/21 最後の雄姿・・・ ギンヤンマ飛翔(野洲市)

秋風が吹きはじめ、朝晩はかなり冷え込むようになってきた。初夏に生まれたギンヤンマもそろそろ最後の時期をむかえ、水辺では多くのペアが連結したまま産卵している。オスはペアの相手を求め、水面上を行ったり来たり、縄張りに入り込むオスがいれば追い出し、メスが来るのをひたすら待つ。この時期になると縄張り争いで、羽がボロボロになった個体も多くなるが、羽を痛めてまでも、堂々としたようすで水辺を飛翔する。子供のころから見慣れたギンヤンマ、虫採り網をカメラに変えて、今でもその姿を追いかける。
(撮影・Canon6D・ISO400)

2015/9/14 エゴの実レストラン・・・ ヤマガラ食事中(野洲市)

エゴの実とはエゴノキの実。エゴノキは5月ごろに白い花を咲かせ、この季節長い柄の下にできる果実は、枝に並ぶようにしてぶら下がっている。ヤマガラはこの果実の中にある種子が大好物。果実に足を掛け、逆立ちするようにして果実を長い柄からもぎとっては、丈夫な枝にそれを運ぶ。枝に運ぶと、今度は両足で果実をしっかりと挟み込み、くちばしで殻を割って中の種子を食べる。殻を割る音は「コンコンコンコン」と森に響くように聞こえてきて、人気のエゴの実レストラン周辺は、多くの来客で賑やかになる。
(撮影・Canon6D・ISO400)

2015/9/7 サイボーグの合体・・・ シロスジカミキリのペア(栗東市)

コナラのドングリを撮影中、なにやらカリカリと音が聞こえてきた。その方向に目を向けると、そこにはコナラの若枝をかじるシロスジカミキリのメス。視線の高さなのに、音が聞こえてくるまで全く気づかなかった。よく見ると、その近くにもう一匹。触覚の長い方がオスで、ギシギシと音を立てながらメスに近づいていく姿は、まるでサイボーグ。どちらも体長5cmを越える大物で迫力満点。生きている間、背中の斑紋や模様は黄色だが、死ぬと白くなる。このあたりも電子機能が停止したサイボーグに似ている。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/8/31 「コアユ」バイキング・・・ ダイサギ食事中(長浜市)

1海につながらない琵琶湖で育つアユは、成長しても10cmほどにしかならず「コアユ」とよばれている。この時期、琵琶湖に流れ込む河川の河口には、産卵の時期を迎え次々に遡上するコアユの群れを狙い、サギたちが集まってくる。サギたちは浅瀬で待ち伏せ、狙いを定め勢いよくくちばしを水中に突入させる。コアユの動きは素早く、捕食は簡単でないが、うまく捕らえると、くちばしで軽くほうり上げるようにしながら、飲み込みやすいように向きを変え、頭から飲み込んでいく。期間限定コアユバイキングは今日も大盛況。
(撮影・Canon6D・ISO100)

2015/8/24 せっかちな吸蜜・・・ イブキジャコウソウとホウジャク(米原市)

10年ぶりの伊吹山は、かつてのお花畑風景が一変、彩りの寂しい山頂になっていた。その原因はシカの食害、シカよけの柵がしてある部分だけが、かろうじて昔の風景を残していた。そんな中、伊吹山で最初に発見されたイブキジャコウソウを撮影していると、ホウジャクがやって来て吸蜜をはじめた。ホウジャクは花に止まることなく、ホバリングしたまま長い口吻を伸ばし吸蜜する。飛翔昆虫の中でも、飛行速度はかなり上位に位置するホウジャク。花から花へと素早く移動し吸蜜するため、こちらはあたふたした撮影になる。
(撮影・Canon6D・ISO400)

2015/8/17 婚活する宝石・・・ エノキの樹上を飛ぶタマムシ(栗東市)

炎天下、林道を歩いていてふと上を見上げると、なにやらたくさんの甲虫が飛び回っている。形はタマムシのようだが、高いエノキの樹上を飛んでいてはっきりと正体が掴めない。よくよく見れば、あちらのエノキにも、こちらのエノキにも飛ぶ姿が見える。樹上をそばから見られる場所に移動し観察、撮影開始。カメラを捕虫網に持ち変えれば、虫かごがすぐに宝石箱になるほど、たくさん飛んでいるが、意外と飛ぶ速度が速く、ピント合わせに苦労する。どうやら婚活オスが結婚相手を求めて飛び回っているようだ。
(撮影・Canon6D・ISO400)

2015/8/10 そんなに慌てなくても・・・ ツクツクボウシ飛翔(守山市)

林や公園、市街地の街路樹からセミの大合唱が聞こえてくる。夕暮れ時、木々をよじ登っていく幼虫の姿が、夕焼け空を背景にシルエットで見える。羽化の時期には幅があるようで、つい先日の夜にもアブラゼミ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミの羽化を見ることができた。翌日同じ場所に出かけてみると、残された抜け殻が木もれ日に照らされキラキラ輝いていて、そんなようすを撮影しながら歩いていると、危険を感じたセミたちが、近くの幹から飛んで逃げる。君たちを採集するわけではないのだから、そんなに慌てなくても・・・
(撮影・Canon6D・ISO100)

2015/8/03 大きすぎでしょ・・・ ツバメとオオサカサナエ(長浜市)

二番子を育てるツバメ。生まれて10日ほどの雛にオオサカサナエを運んできたが、どう見ても大きすぎ。親が食べるとしてもちょっと無理な大きさ。巣からほんの少し見えるくちばしに、強引に押し込もうとするが、入るはずもなく途方にくれる。ワシやタカのように食いちぎって給餌することはできないのだから、そろそろあきらめたら・・・ と思っていると気持ちが通じたのか、そのまま飛び去った。大きな餌を見つけ、興奮して雛の大きさを忘れてしまったのかもしれないが、今の雛にはイトトンボあたりがちょうど良い。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/7/27 俺は石じゃないぞ・・・ スッポンとシオカラトンボ(守山市)

公園や寺社の池でくらすカメたちは人慣れしていて、すぐそばに人がいてものんびりと甲羅干しするが、野生のカメたちは意外と警戒心が強く、人の気配を感じると素早く水に逃げ込んでしまう。ところが琵琶湖岸で出会ったこの大きなスッポン、僕が近づいてもそれほど気にとめることなく甲羅干しを続けていた。甲羅干しといっても、顔は水につけ時々鼻を上げて呼吸をする状態。その姿は、まるでぺたんこの石。シオカラトンボも石と勘違いしたのか、縄張り飛行の途中でちょっと休憩。おいおい、俺は石じゃないぞ。
(撮影・Canon6D・ISO100)

2015/7/20 おっとっと・・・ おっちょこちょいカイツブリ(守山市)

この春に生まれたカイツブリの幼鳥たちが、独り立ちの時期を向かえている。この日は親が縄張り争いをするときのように、浅い水面を興奮気味に駆け回っていた。そんなようすをレンズで追いかけていると、こちらへ向かって猛ダッシュで駆けてきた。すると一瞬、少し跳ねた感じがした直後に頭から水に落ちた。何事がおきたかと撮れた写真を見てみると、そこに写っていたのは、まるで新種のカエル。どうやら手前で石につまずいたらしい。このおっちょこちょいさが幼鳥の特長ともいえるが、まだまだ鍛え方が足りませんね。
(撮影・Canon6D・ISO200)

2015/7/13 ホバリング給餌・・・ ヨシ原のツバメ親子(野洲市)

琵琶湖周辺ではムクドリ、スズメ、オオバン、バン、カイツブリなど雛を連れた家族をあちらこちらで見ることができる。ツバメも家族連れでヨシ原にやって来た。幼鳥は、すでにかなりの飛翔力があり、飛んでいる姿を肉眼で見ているだけでは、親鳥と区別がつかないほどだ。それでも幼鳥は体力的に親鳥にはかなわないようで、度々ヨシの茎に止まり休息を取る。親鳥は水田地帯や水辺の水面近くを猛スピードで飛翔し昆虫を捕らえ、それを幼鳥に運ぶ。親鳥はヨシに止まることなく空中でホバリングしながら給餌する。
(撮影・Canon6D・ISO320)

2015/7/6 童顔の飛行士・・・ 水田上を飛翔するツバメ幼鳥(草津市)

この季節、水田ではトンボが羽化し、羽が乾くのを待ち飛び立っていく。この朝も水田を覗き込むと、まだ薄白色の羽を乾かすアキアカネがあちこちに見られた。そこへやって来たのが巣立ち雛を5羽連れたツバメの家族。親ツバメは滑るように水田上を飛翔しながら、羽化したばかりのアキアカネを捕らえていく。幼鳥は親ツバメがトンボを捕らえたのを見つけると、そのトンボをほしがり親の後を追いかけていく。田んぼの上はまさしく童顔飛行士の練習場、こちらはレンズを振り回し、シューティングゲームにのめり込む。
(撮影・Canon6D・ISO400)

2015/6/29 一発必中?・・・ ニッポンバラタナゴ産卵(栗東市)

オスの体色がバラ色の婚姻色になり、メスの産卵管が伸びてきた。産卵シーンを撮影しようと、ドブガイをタナゴの水槽に入れてみた。しばらくすると、オスとメスが並ぶようにして、ドブガイの出水管を覗き込む仕草を見せはじめた。オスはメスに産卵をうながしているのか、度々メスを追いかける。メスは、出水管が開閉するタイミングをはかりながら、産卵管の付け根を出水管に打ち付け産卵を試みる。産卵は一発必中というわけではなく、何度も失敗を繰り返す。産卵はほんの一瞬、反射神経テストを兼ねた撮影になった。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/6/22 わたくし肉食系女子ですのよ・・・ ゴイシシジミ(栗東市)

チョウといえば、成虫は花の蜜や樹液を吸蜜し、幼虫は好みの葉を食べるのが普通だが、このゴイシシジミはかなり変わっていて、成虫はアブラムシの出す分泌液を吸い、幼虫はアブラムシそのものを食べて成長する。アブラムシは、タケ科の葉裏に寄生するササコナフキツノアブラムシなどに限られていて、卵もアブラムシの集団の中に産みつけられる。林道脇のササ藪で産卵する姿を見かけ、産卵、卵、分泌液をなめるシーンを撮影。産卵中も食事中もアブラムシ集団に囲まれている姿を見ていると、こちらがムズムズしてくる。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/6/15 ポッコン、ポコン・・・ ミシシッピアカミミガメの産卵(草津市)

琵琶湖岸で産卵準備をするアカミミガメに出会った。時刻は午前9時30分、まだほんの少し窪みができた程度。左右の後肢を交互に使い、穴を掘り進めていくようすを、離れた場所から見守っていると、11時25分に産卵を開始。首を縮めながらいきむ体勢をとると、押し出されるようにして、楕円形の卵が穴の中に産み落とされていく。今回は8個を産卵し、穴の埋め戻しにかかった。後肢で土を戻しながら体重を利用し地面を押し固める。12時10分、何事もなかったかのように、ヨシ原の中へと帰って行った。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/6/8 頭がでかいぞ??・・・ 巣材を運ぶイワツバメ(大津市)

橋の下でイワツバメが営巣中。近くの川沿いに腰掛けて飛び交うイワツバメを狙ってみた。そんな中、やたらに頭の大きなツバメが目の前にやってきた。そのまま橋下の巣に飛び込むが、落ち着かないようすで、すぐに巣を離れ川上を旋回する。かなりのスピードで飛び回るので、その正体を肉眼ではまったく確認できず、チョウを捕まえてきたのか・・ などと想像しつつとりあえず撮影に専念。撮影後、確認してみると大きな羽をくわえていたことが判明。産座に敷く巣材に見つけてきたのだろう。大きさから見てドバトの羽かな・・・
(撮影・Canon6D・ISO400)

2015/6/1 きれいなチョウになりました・・・ ミスジチョウ羽化(栗東市)

ホームページ「動く自然絵本」で紹介しているミスジチョウの幼虫が、蛹の時期を終えてきれいなチョウになった。この日9時半に蛹のようすを見に行くと、羽の模様が透けて見えていた。これは間もなく羽化することのサイン。あとはひたすらその瞬間を待つことにする。羽化撮影に風は大敵、強風が吹かないことを祈りながら待つこと4時間、背中部分が割れはじめ羽化がはじまった。1分足らずで殻から体を抜くと、抜け殻につかまり羽が固まるのを待つ。蛹になった日から18日目、冬越しから見てきた幼虫が空に飛び立った。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/5/25 曲がったことが嫌いな虹?・・・ 環水平アーク(長浜市)

先週22日、湖北長浜の空。薄曇りの空に青空が広がりはじめると、太陽の真下にまっすぐな虹が現れた。水平環ともよばれるこの虹は、氷粒結晶の方向がそろった大気に、太陽光が屈折することで出現し、太陽の下46°に見られるらしい。今まで何度か水平環を見たことがあるが、これほど色のはっきりした横幅の長い虹は見たことがない。この日は太陽の暈も同時に見られ、しばし空の撮影を楽しむことができた。おかげで、目的地への到着が大幅に遅れてしまったが、あれやこれやとそれなりの撮影日和になった。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/5/18 卵はゆりかごで育つ・・・ ヒメクロオトシブミの産卵(栗東市)

コナラはドングリの成る木の代表格。4月下旬に受粉し、今は直径2mmほどの小さなドングリが枝先で育ちはじめている。そんなコナラの葉で、せっせとゆりかご作りをしているのはヒメクロオトシブミ。まずは葉の上部に切れ込みを入れ、葉の裏に回り込み、足で挟み込むように葉を二つ折りにする。その後、葉の先端に移動し葉の端を折り込むようにして、内側にまるめはじめる。少しまるめたところで産卵、写真でロールの中に黄色く見える粒が卵。この卵を包むように上部の切り込みまで巻き上げていき、ゆりかごを完成させる。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/5/11 心のどかな原風景・・・ ハルリンドウの咲く山里の田植え(東近江市)

ゴールデンウィークで観光地が賑わっているころ、この山里はハルリンドウが群生し、聞こえてくるのは風の音、鳥のさえずり、カエルたちの声。そして、ぬかるんだ水田に苗を植えながら、一歩一歩進む農家さんの足音。なんとも穏やかで、のどかな時間が流れていた。時々田植えの手を休めながら、話しかけてくれる農家さんの優しい笑顔が、何よりもうれしい。この里も放棄された水田が目立つようになり、風景とともに優しい笑顔が消えていってしまうことが予想される。せめて、原風景の一つとして、写真で残しておきたい。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/5/4 行列のできる甲羅干し・・・ ミシシッピアカミミガメ(草津市)

「行列のできる甲羅干しスポットへようこそ!」。ここはアカミミガメにとって、よほど魅力的な場所なのだろう。もう満席状態なのに次から次へとやって来て、先客を押しのけてまでも場所を確保しようとする。カメたちが首を伸ばす方向に何があるわけでもないが、なぜか揃って同じ方向を眺めている。アカミミガメは外来種で、琵琶湖周辺ではクサガメやイシガメといった在来種の生息を脅かす存在だ。それでも、放棄した人間の側に罪があるわけで、のんびりとくつろぐカメたちを責めることはできない。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/4/27 持ちつ持たれつ・・・ クロオオアリとアブラムシ(高島市)

モミジの枝先にたくさんのアリが歩き回っていた。よく見ると細い枝先にたくさんのアブラムシが寄生していて、アリはそのアブラムシが排出する甘露を求めて歩き回っていたようだ。アリは栄養分として甘露をもらい、アブラムシはアリの力を借りて天敵のテントウムシなどから身を守ってもらう共生関係にある。アリは日本に280種、アブラムシは700種ほどがいるらしく、写真から種を判断することは非常に難しいが、独断でアリはクロオオアリ、アブラムシはモミジニタイケアブラムシと判断した。間違いであればメールください。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/4/20 お目覚めですね・・・ 新芽を食べるミスジチョウ幼虫(栗東市)

栗東市の山ではサクラが終わり、モミジが芽吹きはじめている。芽吹きに合わせて目覚めるのが、幼虫で冬越ししていたミスジチョウ。先日「今週の1枚」(バックナンバー1月5日)で紹介した幼虫のようすを見に行くと、ふくらみはじめたモミジの新芽をむしゃむしゃと食べていた。幼虫は、新芽をひとつ食べ終わると向きを変えて、冬越ししていたモミジの葉に戻っていく。幼虫が歩いた枝をよく見ると糸が張られていて、その糸をたどることで、もといた場所に帰ることができるようだ。幼虫はもうじき蛹になりチョウに変身する。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/4/13 北帰のご予定は?・・・ ホシハジロの飛翔(草津市)

琵琶湖南部の桜は、先日の花散らしの雨でだいぶ花を落とした。そんな季節になっても、琵琶湖やその周辺の池や水路にはまだたくさんのカモたちが羽を休めている。昼間、琵琶湖と隣り合わせのため池で過ごすカモたちは、日が傾きかけるころから、ねぐらにしている琵琶湖へ次々と飛び立っていく。まずヒドリガモが小さな群れを作って飛び立ち、日の入りが近くなるとキンクロハジロ、ホシハジロが水面を駆けながら大きな群れを作り琵琶湖へと向かう。釣り人の位置や、風向きを考慮して飛行ルートを推測し、撮影ポイントを決める。
(撮影・Canon6D・ISO400・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/4/6 チョウにも天狗がいる・・・ 吸蜜するテングチョウ(草津市)

テングチョウとはその名の通り、顔の先端が細長く天狗の鼻のように見えるチョウで、羽を広げると45mmほどの大きさになる。成虫で冬越しをするので、気温の高い日には早春から飛翔する姿をあちこちで見かける。吸蜜に訪れたのはタネツケバナ、こちらも早春からいち早く花を咲かせる越年草。テングチョウが冬眠から目覚めるころは、野の植物たちがまだ開花前で、タネツケバナの蜜は貴重な栄養源になる。写真のテングチョウも空腹だったのか、吸蜜に専念していて、逃げることなく至近距離からの撮影が簡単にできた。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/3/30 琵琶湖の春・・・ ゲンゴロウブナの産卵(守山市)

この時期、水深の浅い琵琶湖岸からバシャバシャと激しい水音が聞こえてくる。琵琶湖に春の訪れを告げるもののひとつ、フナやコイの産卵だ。数匹の魚が、体を寄せ合いながら泳ぐ姿を目で追っていると、ヨシの根がむき出しになった部分などで、水しぶきを上げながら産卵するシーンを見ることができる。産卵はメスにオスが寄り添うようにして行われ、2匹の体が見えた瞬間がシャッターチャンスだが、水が濁っていてなかなか難しい。コイは体が大きすぎて画面からはみ出してしまったが、フナはなんとか撮影できた。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/3/23 ひょこたん、ひょこたん・・・ 琵琶湖岸のイタチ(草津市)

琵琶湖岸を歩いていると、ヨシ原からイタチが姿を現した。尾が長いのでチョウセンイタチと思われる。琵琶湖岸には大きな石が敷き詰められていて、イタチはその隙間を熱心に覗き込みながら何かを探しているようす。ひょこたん、ひょこたんと尺取り虫のように体をくねらせながらこちらへ近づいてくる。驚かさないようそっと腰を下ろしレンズを向けるが、忙しく動き回る姿を捉えられず悪戦苦闘。そこへジョギングランナーが通りかかり、イタチが警戒し動きを止めた。絶好のシャッターチャンス!! 結果がこの写真。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/3/16 あれあれ、お嬢さん・・・ ニホンザルの大あくび(京都市)

「春眠暁を覚えず」とは、春の夜は寝心地がよく、朝ついつい寝過ごしてしまうという故事だが、春にはまだ少し早く、おまけに時刻はお昼を回ったところ。日差しの暖かさと満腹感が合わさって、眠気が襲ってくるのだろう。しかしお嬢さん、カメラの前でその大あくびはいかがなものかと。普段モテモテのお嬢さんでも「百年の恋が一時で冷める」なんてことになりかねませんよ。それはそれとして、大きく開いた口内を見ると、歯並びはしっかりしていて、歯医者通いの必要性もないように見える。なんともうらやましい・・・
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/3/9 春霞ではなく・・・ 黄砂に霞む比叡山(守山市)

黄砂注意報の日、琵琶湖対岸から見た比叡山は薄黄色に霞んでいた。こんな日はなるべく車から出たくないので、水鳥や農耕地の野鳥が車内から撮影できる場所に出掛けることにしている。車を撮影ポイントに止めて、鳥がいてもいなくても3時間から5時間は動かずに待つ。そのうち僕の車は風景の一部になり、タシギやタゲリ、時にカワセミが5メートルほどの距離まで近づいて来てモデルになってくれる。それでも運転席の窓はずっと開けたままになっているので、結局は黄砂を吸い込んでいるのか、喉がいがらっぽくなってくる。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/3/2 春を待つ植物たち・・・ 棚田土手のロゼットあれこれ(大津市)

久しぶりにすっきりと晴れた日、春を待つ棚田の散策に出掛けた。日陰にはまだ雪が残っていたが、日当たりの良い棚田の土手では、ノアザミやヒメムカシヨモギ、スイバなどが日の光をいっぱいに浴びるよう、ロゼット状に葉を広げていた。ロゼットを広げる植物は、前年の秋ごろに発芽し、冬をロゼットで越して、春から生長する「越年草」と地上部が枯れても地下茎が生きていて、複数年花をつける「多年草」。比良山の雪が消え、棚田全部に春の便りが届くころ、植物たちは一斉に背を伸ばし、陣取り合戦をはじめる。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/2/23 ピチピチパチパチ・・・ オオジュリンの虫探し(守山市)

比良山はまだ雪を抱いているが、琵琶湖岸も少しずつ春めいてきた。そんな湖岸を歩いているとヨシ原のあちこちからピチピチ、パチパチとヨシを割り裂くような音が聞こえてくる。その正体は小さな野鳥たち。ヨシの茎中に潜み、越冬している小さな昆虫を探し出し、食料にしている。餌探しいているのは、オオジュリン、カワラヒワ、ホオジロなど。その中でオオジュリンは、夏の間北海道や東北地方で美声を聞かせ繁殖していて、冬期南へ移動してくる。琵琶湖岸で十分に栄養補給をして、もうじき北に向け旅立っていく。
(撮影・CanonT90・ベルビア100・ノートリミング)

2015/2/16 冬越しバレンタイン・・・ エサキモンキツノカメムシ(栗東市)

先週、ヒノキの樹皮の隙間にヒメカマキリの卵を見つけ撮影していると、そのすぐそばからエサキモンキツノカメムシが弱々しい足取りで姿を現した。樹皮の裏側で越冬していたのだろうが、つかの間の暖かさに誘われ、動き出したのだろう。黄色のハートがトレードマーク。夏には樹木の葉などから汁を吸っている。一昨日はバレンタインデー、一足早いカメムシからのハートプレゼント。しかし油断大敵、気をよくして触れたりすると悪臭を分泌される。義理チョコを本命チョコと勘違いしているそこのあなた・・・ くれぐれもご用心。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/2/9 小さな花の生き残り術・・・ ホトケノザ閉鎖花(守山市)

田んぼのあぜに、いち早く花をつけるホトケノザ。春の七草のひとつ、ホトケノザは本種ではなくコオニタビラコ。さて写真に注目。3種類の花やつぼみが写っているが、まず右下の大きな花はホトケノザ本来の花(開放花)中央上部に二つある濃い紅色のまるいかたまり、これは開放花のつぼみ。そして中央に二つある、小さな触覚のような淡紅色のつぼみ状の花が閉鎖花になる。閉鎖花とは開花することなく自家受粉する花で、もしも開放花に昆虫が来ずに受粉できなかったとしても、この閉鎖花で種子を残すことができる。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/2/2 森の時計店・・・ ウラゴマダラシジミの卵(大津市)

イボタノキにウラゴマダラシジミの卵があると、一回り年上の虫屋さんから連絡をいただいた。虫屋さんといっても昆虫を販売するわけでもなければ、害虫駆除会社でもない。昆虫好きの人たちを「虫屋」とよんでいる。こちらの卵は1mm程の歯車が並んでいて、まるで時計の修理屋さんといったところ。僕は卵を見るのは初めてで、成虫にも出会ったことはない。せっかく卵を見せてもらったのだから、今度はチョウになった姿を見てみたい。近年、このあたりではあまり姿を見なくなったそうで、それならなおさら見てみたい。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/1/26 倒木のアート・・・ カイガラタケの環状模様(栗東市)

キノコというと秋をイメージするが、冬の時期でも美しいキノコに出会うことがある。栗東市の山々では、カシノナガキクイムシに寄生されたコナラの大木が、いたるところで立ち枯れている。早くにやられたコナラは台風などで倒れ、林に横たわりたくさんのキノコを発生させている。主にサルノコシカケ科で写真のカイガラタケやカワラタケ、ヒイロタケ、ハチノスタケなど。特にカイガラタケは環状の色模様が美しく、水に絵の具を浮かべ紙をのせて描くマーブリングのよう。まさに倒木のアートである。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/1/19 田んぼも山も雪の中・・・ Myフィールドの雪景色(栗東市)

1月12日、Myフィールドに早朝から雪がきた。降り出しは小降りで、たいして積もらないかと思いつつも、とりあえずカメラを持って冬越し取材に出掛けてみた。自宅から10kmほどの距離だが、市街地と山地では雪の降り方が違っていて、順調に雪撮影が進んだ。風もなく、狙っていた冬越し昆虫に優しく雪が乗っていた。僕の住む栗東市は雪が少ない地域で、雪の日はとても貴重な撮影日。春から秋にかけて、生き物たちで賑わう水田もすっかり雪景色。この雪も、その日の夕方にはすっかり消えてなくなっていた。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/1/5 モミジ葉に包まれて・・・ ミスジチョウ幼虫の冬越し(栗東市)

今回は、初心者でも簡単に見つけられる冬越し昆虫のご案内。観察ポイントは、観光目的や山の彩りとして、林道沿いや散策路に植えられたモミジの木。ミスジチョウの幼虫は、モミジ葉の付け根を糸でくくることで落葉を防ぎ、葉に同化した保護色で冬を越す。そのため、すっかり葉を落としているはずの枝に、越冬幼虫のいる葉だけが残されている。「モミジ葉に包まれて」としたが、葉内にいるとは限らず葉の外側にいることも多く、この冬見つけた幼虫は中派と外派が半々、越冬の高さ平均は2m20cmほど。
(撮影・Canon6D・ISO100・ノーレタッチ・ノートリミング)

2015/1/5 貴重な食料・・・ 二番穂を食べるホオジロ(守山市)

僕の住む滋賀県栗東市は、元日の午後から雪になった。こうなると、雪をからめた冬越しの生き物撮影に駆け回ることになる。その途中、雪に覆われた田んぼに集まる小鳥たちが目に留まった。小鳥たちの狙いは、雪上にほんの少し顔を出した二番穂の籾。野道や畦の草の実が雪に覆われてしまい、背の高い二番穂は貴重な食料になる。積雪よりも背の高い二番穂だけが顔を出しているので、食料には限りがある。その食料をめぐりホオジロ、ホオアカ、ヒバリ、カワラヒワがけん制し合いながら、競うように穂をついばんでいた。
(撮影・Canon6D・ISO100・300mm)